30代デザイナーの退職~フリーランスと会社員~
【序文】転職は踊る
かくして大阪→岡山間の転居をすることになったのですが、もちろんのことながらそれまで勤めていた会社を辞めなければなりません。
2018年は未曽有の人手不足で弊社も例に及ばず新卒中途採用活動にシックハックしていました。そんな中で退職をするのですから問題がないというわけには行きません。
それでも比較的スムーズかつ円満に退職することができたので、参考までに退職の経緯、そして退職後についても書いていきたいと思います。
本記事の内容
退職しようよ
退職の方針を決める
私の場合は「会社からみて最もロスが少ないタイミングで退職」しようという方針を決めていました。
これは私がペッシに劣らないくらいド小心者(マンモーニ)だという事や、今までさんざんお世話になっておいて退職の際に迷惑をかけるってことは天に唾吐くも同義では!?という思いからくるものでもありましたが、フリーランスになる(前職から受注をうける)ことも視野に入れていたので前職との関係をいい形で残しておきたかったという薄汚い下心もありました。
転職を決めてから退職としなかったのは、ただたんに離れた場所から転職活動をするのがどちゃくそ大変そうだなと思ったのと、まずは引っ越しと生活を落ち着かせることに注力したかったからです。
だって地元とはいえ10云年離れて関西にいたのですから、不安にもなるでしょ?
退職の手順を考えておく
他の会社は分かりませんが、前職場は常に「何らかのプロジェクトに参加している状態」が普通でした。
そのプロジェクトは1か月のこともあれば半年以上のこともあり、プロジェクトが終わる前に次のプロジェクトにアサインされるのが普通です。
なので次のプロジェクトにアサインされる前に退職報告をし、今参加しているプロジェクトが終わるタイミングで退職するのが一番ロスが少ないだろうと考えました。
また、一応役職がついていたので、次の後継を誰にするか一応想定しておきました。
実際には複数プロジェクトに片足(複足?)を突っ込んでいたので、きれいにこのタイミングというのは難しかったのですが、各案件ごとに同僚に引き継げるタイミングも模索しつつ退職タイミングを検討しました。
もちろん予期せぬ問題の発生等、想定にも限界があるので実際にはだいぶ違う形での退職になりましたが、会社のことを考えているのだがどうしても退職しなければいけないのだという誠意は伝わったのではないかと思います。
退職を切り出す
時間が確保できそうなタイミングで直属の上司に時間をとってもらって面談してもらいました。
「こういう理由で退職を考えている。タイミングについてはこういう想定をしているけど会社にとって一番いいタイミングで退職したい」
もうすでに夫が転職して岡山で働いていることもあったので、特に慰留されることはありませんでした。はっきり言って超絶寂しい。待って辞めないで、給料増やすからとか言って追いすがられたかったなぁ~~。
いいんです。だってすでに別居状態の妻をそのまま関西に留め置くような会社じゃないという事はわかっていたので。
そうして後任も決まり、プロジェクトが完了するタイミングでいい形に退職することができました。退職を切り出してから約三か月後のことでした。
フリーランスと会社員どっちがいいか
デザイナーが退職を前に本格的に次の一手を考えた時に突き当たるのって
フリーになるか会社員になるか問題じゃないでしょうか。
だからなのかは分かりませんが、ツイッターのタイムラインでどっちがいいかなんてことをよく目にします。
メリットがあるほうを選びたいのが人の常。
求職しながらもフリーランスについても少し調べてみました。
会社を退職してからお世話になった方のところに挨拶に行く機会が色々とあったのですが、
フリーランスはフリーランスを勧め、会社員は会社員を勧めるという傾向があったのが印象的でした。みんな自分の仕事の仕方に誇りと利点を感じているのですね。
そういったお話や調べた印象を総合するとフリーランスと会社員とどっちがいいかは人によるのだと思いました。
フリーランスのメリット
- 在宅で働ける
- 自分で仕事量・原価を調整できる
- 仕事を選べる
- 契約や法・税金関係に詳しくなる
- 自分でクライアントに仕事の内容をプレゼンできるので、自分の好きなように仕事をすすめられる。
とこんな感じかなと思うのですが、これは人によってはすべてデメリットへ転じる恐れがあるのではないかと思っています。
フリーランスのデメリット
- 在宅で働けるが、ON/OFFをつけれない人からすると自宅が常に仕事場になり、24時間仕事のことを考えてしまう。
- 自分で仕事量・原価を調整できるが、優柔不断な人押しに弱い人はたくさん仕事を抱え込んでしまったり自分を安売りしてしまうおそれがある。
- 仕事を選べるがもともとの営業ルートがない人は選べるほど仕事が来ない恐れがある。
- 契約や法・税金関係に詳しくなるが、そういった事務仕事が苦手な人にとっては苦痛な作業が発生する。
- 自分でクライアントに仕事の内容をプレゼンできるので、自分の好きなように仕事をすすめられるが、自分で物事を強く進めていく力がない人にとっては相談相手も助け船もなく、振り回されて終わることがある。
上記の~の人にとってはというのは自分を想定しています。
とかく私は自信がないのが唯一の特徴で己を憐憫して生きているのですが、そういった類の人間には到底生き抜くことができないのではないかという想像がつきます。
とにかく問題が起きた時に、自分の身を自分で守らなければいけないのがフリーランスです。サバンナで生きていける自信がないものはサバンナにでてはイケナイのではないでしょうか。
もちろん私はフリーランスのまねごとをした経験はあってもフリーランス一本で働いた経験はありません。上記はあくまで想像という事でお願いします。
会社員の経験ならあるのでついでに会社員について書いてみます。
会社員のメリット
- 定時がある。
- 通勤・打合せまでの移動費がでる。
- 上司が「こいつはこれはできるだろう」と判断した作業しか落ちてこない。
- 困ったら誰かが助けてくれる。
- 最新の情報・役立つ情報・知らないと困る情報が手に入りやすい。
- 毎日誰かと会える。
会社員の最大のメリットは集合知ではないでしょうか。自分の知らない・必要な情報が自分にとって最適な形で降りてくる。そうでなければ会社組織である意味がないので当たり前と言っては当たり前なのですが、逆に言うとそれを目いっぱい享受しなければ会社組織にいる意味がありません。会社にいるのならば情報共有、情報交換を積極的にすべきだとおもいます。
会社員のデメリット
- 定時があると思いきやないかもしれない。人が残っていると帰りづらい。
- 通勤しなければいけない。
- 仕事を選べず、「こんな仕事がしたい」がかなえられない事がある。
- 誰かが困っていれば助けなければいけない。炎上案件にアサインされる恐れ。
- 会社にとって知っておいて欲しい情報は貰えるが、その情報で本当に成長できるかは自分次第。
- 毎日人に会わなければいけない。
ぎゃくにデメリットは会社という枠組みの中でしかその情報が得られないこと。自分の目指す成長の方向性と会社が考える成長の方向性とは齟齬があったり、会社の望む方向性が自分にとって本当に最適とは限らない、ということです。
結局会社に居ても、「自分がどうしたいか」「どうなりたいか」ははっきりと心の中に持っておかなければ、年を取った時に特に何のスキルもない社内のあしらいがうまいだけの謎の人になってしまうかもしれません。
まとめ(じゃあどうしたか)
以上のようなメリット・デメリットを比較して私はフリーランスになるのはまだ早いと諦めました。
…というと冷静に判断したように聞こえますね。
もちろん冷静に判断した面もあるのですが、実際に会社員として転職すると決断したのは無職の間に人との交流に飢え、毎日人に会いたいと感じできればなるべく早く人の輪に入りたいという一種の本能のような願望によるところが大きかったです。
マズローの欲求段階説でいう社会的欲求というところでしょうか。 どこにも所属していない不安感を打ち消すくらいの強い安定感がある人がフリーランサーとして活躍できるのだと思います。そういう人に私はなりたい。
かくして転職むけて一歩を踏み出しました。
次回は転職について書いていきたいと思います。
仕事についてほそぼそ語ります。友達になってくださいとは言いません良ければ読者になって下さい。